映画と音楽と演劇を組み合わせた、MAMEHICO発の新しい演目”cinemusica”。

2024年夏に銀座のMAMEHICOにて初演、好評につき2024年冬に再演。 そして2025年、ついに神戸にて上演が決まりました。

MAMEHICO代表の井川さんの脚本、演出による演劇に、映画の名シーンと音楽が寄り添い、1つの物語を紡いでいきます。 音楽は「映画音楽」に影響を受けてきたというシンガーソングライターの入日茜さんとのコラボレーションです。

映画好きな方、演劇好きな方、音楽好きな方、そして、MAMEHICO好きな方…そんな皆様に向けて、新しくてどこか懐かしい、心揺さぶる時間をお届けします。


作/演出

MAMEHICO代表 井川啓央より

映画が今やスマホひとつで誰でも簡単に観られる時代になりました。だからどんどん映画館に行く人が減ってると。「わざわざ出かけるなんて面倒よ」ってヒトの気持ちもわかる。でも、その面倒の先にあるものっていうのも、たしかにあるんだよね。ボクのようにカフェという場創りをしているものからすると、その「面倒の先にあるもの」の楽しさや面白さがあるコトは信じられるんです。だけど「利便性」を前に、それを知らないヒトたちに伝えていったらいんだろう。ボクたちを知らないヒトにボクタチをどうやって信じてもらったら良いだろう。

途方もないことのように思えてため息を付いていたら、たまたま入日茜の歌が流れてきたんです。

「わたしにはこれしかない」という想いが歌に声に現れていて、「嘘がないな」という印象を受けたんです。それで早速、連絡を取ってみました。そしたら彼女は銀座のMAMEHICOに快く来てくれました。初めて会った彼女は、少し緊張してたのでしょうね、大人のよそ行き顔でした。だけど、会話の端々に不器用で負けず嫌いで、傷つきやすくて脆い、少女の顔がときどきはっきりと見えて、それは歌から受けた印象と同じだったので、「なんか一緒にやろうか」とボクから投げかけたんです。ボクもMAMEHICOで孤高な一人旅を歩んでうん十年。同じ道を歩いてるヒトに対しては、直感的にわかっちゃうんです。

彼女は「はい」と返事したので、ボクは早速「cinemusica」の企画を考えました。舞台は、閉館が決まっている古い映画館。その最後の日に掃除夫として働く男と、母を亡くしたばかりの大学生の女の子が映画館のロビーで出会う。短い会話を通して、少しずつ心を通わせ、やがて母の死の秘密が明らかになっていくというサスペンスです。映画は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『シェルブールの雨傘』『男と女』『ニュー・シネマ・パラダイス』といった映画音楽が有名な名作ばかり。

入日茜とその音楽にボクは触発されて考えた企画は、音楽、映画、演劇の3つが交じり合う不思議なものとなりました。

昨年銀座で上演したところ好評だったので、このたび、神戸のみなさんにもお届けする運びとなりました。今までにない体験をお楽しみいただける作品となっていますので、たくさんの皆さまのご来場を、心よりお待ちしております。

・入日茜(Akane Irihi)プロフィール

福井県出身のピアノ弾き語りシンガーソングライター。繊細な歌声とストーリーテリングな歌詞で聴く人を魅了する。2002年にデビューし、ライブや楽曲提供、映画音楽、CM曲など幅広く活動。DEENのツアー参加や映画出演など表現の幅を広げ、2023年には20周年記念アルバム『歌は涙でできている』をリリース。“浄化系”アーティストとして、時代を超えて多くの人の心を捉え続けている。

公式サイト:https://irihiakane.com

Instagram:https://www.instagram.com/irihiakane/